国土交通省が考える住宅建築の未来 1
こんにちは。
今日もご覧いただきありがとうございます。
株式会社MXエンジニアリングの湊です。
さて、今日も工務店の役に立って、元気になる記事を書いていきます。
《《《2022年6月23日の日本一わかりやすいエコ住宅の作り方ブログ第335号》》》
住宅ストック
先日、JBNという工務店の団体の代議員総会というのが有りました。全国から工務店の方々でJBNの理事や役員の方がお越しになりまして、多分いろいろな話し合いを行ったという事です。
その後に、国土交通省の住宅局住宅生産課の課長様がご登壇されて、現在の国土交通省の考えている住宅政策についてのレクチャーがありました。そちらに、ちょっと参加してきました。当社も一応JBNの会員になっています。
実は住宅政策は、とても大きな曲がり角に来ています。その辺りの話を3回ぐらいに分けて書いていきたいと思います。
現在の、住宅ストック、つまり既存住宅は、6,241万戸有るそうです。その中で、世帯数は5,400世帯です。
つまり、およそ800万戸あまりが空き家というわけです。
住宅の統計は、戦後すぐから取られています。
戦後すぐは、日本は家族が大きかったので、人口は7000万人前後でした。世帯数は1600万世帯。つまり1家族4人以上は確実にいたという事ですよね。ところが、その当時、住宅のストックは1200万戸前後と、400万戸あまり不足していました。
当時は住環境も今よりもずーっと悪かったのですが、1968年(昭和43年)になるまでは、常に住まいが不足している状態だったそうです。
ということは、それ以降は常時住宅が余っている状態になっているということです。
もちろん、引っ越し先が必要ですから、常に5%前後の空き家があるのは健全だと思います。ところが、そのギャップがじりじりと開いてきているのが問題なんです。これが、空き家問題です。
それでも、1968年が2,500万世帯だったのが、2018年で5,400万世帯と、50年間で2,900万世帯が増えている事になります。この間に人口も7,000万人台から1億3,000万人へと6,000万人増えました。現在の日本の世帯人口はおおよそ2名ということになっています。
ちなみこの5年で増えた2,900万世帯というのは、フランス1国分の世帯数に匹敵する数だそうで、日本の急速な核家族化と単身化が見て取れますね。
こんな状況ですから、国土交通省は『常に量から質への転換』を図ってきたということですが、実際は年間に平均して80万戸ぐらいが供給されていた訳ですから、とにかく売れるから数を作るという時代であったと思います。
そのストックの中身
現在の住宅は広さに関しては、まあまあ充分に充足されていると考えているようです。狭すぎる住宅は全体の4%ですから。これは資料の根拠をもらいましたが、見つけられませんでした。
ところが、性能面でダメダメなのが、住宅のストックです。下記のグラフを見てください。
バリアフリーなんて、個人的にはそんなに大切ではありませんが、ここでいう省エネ基準というのは、断熱等級4のことを指します。
これでも、無断熱よりはよほどマシですが、HEAT20のG2から比べると有って無いがごとしです。
このグラフから読み解けるのは、断熱等級4をクリアしている住宅が多く見積もっても、230万戸+1,700万戸で、全体の2,000万戸しかないということです。
これもでかなり増えたのですが、全体の1/3が取りあえず最低限の断熱が入っていう住宅であるといえるかもしれません。
そして、旧耐震基準の住宅が1,300万棟有ります。
国土交通省は、これを建て替えしかないと諦めたようですね。
まあ、基礎がもうガタガタですから、建て替えしかないんですね。
この辺りを当社としては、突っ込んでいきたいなと思っています。
明日以降はさらなる興味深い資料を解説していきます・
また、メルマガも頑張って毎日書いています。お申し込みは下記からお願いいたします。