熱交換型換気システムの交換効率

こんにちは。

今日もご覧いただきありがとうございます。

株式会社MXエンジニアリングの湊です。

さて、今日も工務店の役に立って、元気になる記事を書いていきます。

《《《2022年2月22日の日本一わかりやすいエコ住宅の作り方ブログ第219号》》》

熱交換型換気システム

先日、Twitterを見ていたらこんな記述がありました。

北海道に住んでいますが、換気システムは3種が良いでしょうか?1種が良いですか?

正確には文章が違いますが、趣旨としてこんな感じでした。

一般的に我々もついつい使っちゃいますが。本当はこうですね。

1種 換気システム 吸排気がファン

2種 換気システム 吸気がファン、排気は自然

3種 換気システム 吸気は自然、排気がファン

そんなこと知っているわ!とおっしゃらないで下さい。でも、素人さんは知らないで使っている場合があります。

それと、熱交換器は別ですよね。

ちなみに、熱交換型換気システムにも種類があるのはご存知でしょうか?

全熱型

顕熱型

全熱型は、温度と湿度を交換します。顕熱型は、熱(温度)だけを交換します。

これは、熱交換エレメントの違いで、全熱型は和紙をベースとしたもので、顕熱型は、金属をベースにした物です。

どちらかといえば、日本製は全熱タイプ、欧州製は顕熱タイプが多いように感じます。

例外は、パイプファン式の熱交換型換気システムで、熱交換ユニットはセラミックスになっています。これは、湿度を交換できますが、それほど大量には交換できません。イメージでは30%ぐらいでしょうか。

ちなみに、ロスナイなどの大手のカタログには全熱というよりも、エンタルピー交換効率という書き方がされています。

熱交換効率は変化する

そして、正確には“全熱交換型1種換気システム”の中には、様々な機器があります。

マーベックス、ローヤル電機などの比較的新しいダクトタイプ

三菱電機、パナソニックなどの大手家電メーカー

ベントサン、せせらぎなどの海外から来たパイプファン式

どれが良いのか?解らないので、多くの方はその装置の価格と、交換効率で判断されています。

多分、どの工務店も数が多すぎて、どの熱交換型の換気システムが良いのか?さっぱり解らないけれど、まあ、営業マンも良いといっているからとか、他者も使っているからということで、選んでいるパターンが多いのかなと思います。

で、問題は、この熱交換効率なんです。

マーベックスさんとか、せせらぎなどをのWEBサイトを見ると、熱交換効率80%とか、90%とか書かれています。マーベックスさんのカタログは以前は手元にあったのですが、事務所の改装の時に処分してしまったのでもうありません。(本多社長にもらわないと。)

ですが、大手のカタログを見ると、こんな風に書かれています。これは日立の換気システムのカタログです。

http://chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/viewer.html?pdfurl=https%3A%2F%2Fwww.hitachi-gls.co.jp%2Fproducts%2Fpdf%2Fhr-531s_exchange_b.pdf&clen=1284542&chunk=true

風量によって、熱交換効率が変わるみたいですね。

他の論文を見ると、当然ですが室内と屋外の温度差によっても交換効率は変わりますし、湿度によっても異なるようです。

各社出している熱交換効率というのは、JISでの測定値を出しています。

JISというのは、日本工業規格で日本での規格になります。ISOという事になると世界基準になります。

これは、夏と冬の再現で、2つの条件でしか試験をしません。

自動車の燃費は、測定方法が変わってきてどんどん現実により近くなっているのですが、熱交換効率は2003年に制定されて、およそ20年変わっていません。

ベントサンの改正社長に伺った限りでは、北海道の冬の条件では、どんな換気ステムでも熱交換効率は6割以下になるということでした。

それは当たり前で、北海道では外気温がマイナス15度、室温が24度と40度近く温度が違います。

これが、熱交換効率が90%を維持すると外気が20度で入ってこないといけなくなります。

しかも、換気システムの要件である2時間建物全体の気積を換気しないと行けないわけです。ちょっと考えられませんよね。

効率が悪君ってして60%だとすると、吸気が屋内にマイナス15度からプラス10度ぐらいに加熱されて入ってきます。

実際はだいたいこんな感じではないでしょうか?

90%という表記で、実際に熱交換効率90%確保できるのは、外気が2~5度で、屋内が22度ぐらい。

つまり、内外温度差が20度ぐらいまででです。

優劣は、熱交換効率がにより決まりますが、かなり外気温によって効率が決まります。

冷暖房負荷はこのあたりもきちんと反映していますので、きちんと外気温を考慮したシミュレーションをして下さい。

大手は風量による熱交換効率の差や、温度による特性の差をある程度公表していますが、中小は公表していない場合もあるので、特に寒冷地の方は、使う熱交換ユニットの熱交換効率を確認することをお勧めします。

http://chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/viewer.html?pdfurl=https%3A%2F%2Fdl.mitsubishielectric.co.jp%2Fdl%2Fldg%2Fwink%2Fssl%2Fwink_doc%2Fm_contents%2Fdoc%2FTEC_MANUAL_IPPAN%2FGHIJYUTSU-SIRYOU_1311.pdf&clen=36418625&chunk=true

ちょっと今日は小難しい話題で失礼しました!

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Posted by 湊 洋一