防湿層って要りますか?
こんにちは。
今日もご覧いただきありがとうございます。
株式会社MXエンジニアリングの湊です。
さて、今日も工務店を元気にする記事を書いていきたいと思います。
《《《2021年10月16日の湊洋一のブログ第93号》
防湿層がいる?要らない?
防湿層が必要だというシーンが増えています。
繊維系の断熱材を使う場合は、ほぼ確実で必要ですよね。
防湿層、防湿シートというのは、ポリエチレンのフィルムですが、構造用合板や、透湿防水シートの内側に結露が起こる事を防ぐ目的で使います。
グラウスール、ロックウールなどの施工には必ず使われますね。
ところが、100倍発泡ウレタンでも必要なケースがあります。
例えば、これは八王子で外断熱のシミュレーションをしてみました。
実際の外断熱の構成は下記のイラストのようになっています。
このシミュレーションは、ドイツのフランフォッファー研究所のWUFIというソフトで行っています。
非定常計算といって、外気の状態はアメダスの365日、24時間分の気象データで、屋内はサインカーブといって、夏は高温多湿(およそ26度、60%)、冬は低温低湿度(およそ22度、30%)でシミュレーションを行います。
下記は、そのデモをデュポンが行ったものです。
上の赤い線の図が温度分布、下の緑の線の図が湿度分布になります。
左から仕上げ材(塗料)で、EPS、構造用合板、100倍発泡ウレタン、石膏ボードの構成です。この構成だと防湿シートは必要ありません。
ウレタンの一番外側の部分で湿度が、90%近くになっています。
これは冬の寒い時期に、湿度が硬くなることを示しています。
八王子であれば、結露の心配はありませんが、これがもっと寒い地域に行くと100倍発泡ウレタンの場合は、バリアシートが必要になる場合があると思います。多分、3地域だと確実に必要なんじゃ無いかなと思います。
防湿層(防湿シート)の有り無し
先日は、大阪でシミュレーション依頼があったのでしてみました。
大阪市のアメダスデータで、屋内は同じ条件です。EPSは40ミリですね。
八王子と比べると一目瞭然ですが、冬で防湿層(防湿シート)が無くても八王子のように湿度のピークがありません。
大阪の冬が、八王子に比べて暖かいということですね。
そして、全く同じ条件で、屋内の石膏ボードの内側に、防湿シートをいれた場合のシミュレーションデータを作ってみました。
すると、ご覧の通り、防湿層(防湿シート)の内側で結露ギリギリの数値を示します。
これは夏の逆転結露の前兆で、もう少し夏暑くなると結露の可能性が出てきます。
大阪の場合は、防湿シートは、調湿型のシートに変える必要があります。タイベックスマート、イゾベールバリオなどのシートに変えた方が良いかもしれません。
大阪の場合は、防湿シートそのものが不要になります。
このように、ソフトを使って非定常のシミュレーションを通じて、建物の安定性を検討したら結露の不安も無くなるかなと思います。
壁体内の結露は、全く見えないだけで万が一起きた場合は、大きな問題になりあす。
不安だなと思う方はご相談ください。当社で断熱施工をして下さる方にはこのようにシミュレーションを行って、念のため安全を確認しています。
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