断熱のベネフィット 高血圧 《健康編2》

こんにちは。

今日もご覧いただきありがとうございます。

株式会社MXエンジニアリングの湊です。

さて、今日も工務店を元気にする記事を書いていきたいと思います。

《《《2021年9月3日の断熱ブログ第60号》》》

高血圧は万病の元

国立循環器病研究センター病院のWEBには、高血圧を原因として起こる病気がこんなにある事が書かれています。

国立循環器病研究センター病院 高血圧のページ

血管の壁は本来弾力性があるのですが、高血圧状態が長く続くと血管はいつも張りつめた状態におかれ、次第に厚く、しかも硬くなります。

これが高血圧による動脈硬化で、この動脈硬化は、大血管にも、小血管にも起こり、脳出血や脳梗塞、大動脈瘤、腎硬化症、心筋梗塞、眼底出血などの原因となります。また、心臓は高い血圧にうち勝つために無理をすることになり、心臓肥大が起こり、心不全になることもあります。したがって、こうした合併症を予防するためには、高血圧にならないように注意し、既に高血圧の人は血圧を正常化することが必要です。

http://www.ncvc.go.jp/hospital/pub/knowledge/disease/hypertension.html

高血圧というのは、血圧のうち何度か測定して、最高血圧が140mmHg以上、あるいは、最低血圧が90mmHg以上である事をさして、この血圧自体が病気となっています。

つまりは、血圧に関しては、上を140越えないように調整して行くというのが、高齢者には特に求められている事というのです。

そして、同じページにはこの原因が、過剰な塩分摂取、肥満、過剰飲酒、精神的ストレス、自律神経の調節異常、運動不足、野菜や果物(カリウムなどのミネラル)不足、喫煙といわれています。これは皆さんの常識の通りだと思うのですが、高血圧と室温の関係は意外と知られていません。

高血圧と室温

冒頭での引用させて貰った、国立循環器病研究センター病院のサイトでは、このように書かれています。

寒さについて

暖かい所から急に寒い所へ出ると、血管が収縮し、血圧が上がります。特に冬は室内と外気との差をなるべく少なくするようにしましょう。

具体的には

外出時、マスクやマフラー、手袋などで肌の露出部分を少なくする。

居間と浴室、便所の温度差が少ないよう暖房や着衣に気を付ける。

夏、冷房が効き過ぎた部屋からそうでない所へ出る時にも血圧を上昇させるので、外気との温度差が5度以上にならないよう気を付けましょう。

この記述もとっても一般的です。夏より冬の方が血圧が高くなるというのは常識になっていますが、外出時に着衣をコントロールして、温かくするとかそんな一般的なことで大丈夫でしょうか?

昨日のブログを書いたあとに、英国保健省の当該ページを見つけました。

英国 保健省『Cold weather plan for England』 寒い天気の対応策

https://www.gov.uk/government/publications/cold-weather-plan-cwp-for-england

この中の、このページですね。

『Cold Weather Plan For England  Making the Case: Why long-term strategic planning for cold weather is essential to health and wellbeing』 長い!意約すると健康のための戦略

https://assets.publishing.service.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/652568/Cold_Weather_Plan_Making_the_Case_2017.pdf

しっかり、室温の健康への影響についてが記述されています。それによると18度以下の室温では、血圧が上昇すると書かれています。

もちろん、どのぐらい上昇するかは書かれていません、心血管への悪影響が心配されるレベルになるわけです。

高齢者になればなるほど、このような事が起こるかもしれません。65歳以上の高齢者にとっては温かい室内というのは、健康な食事よりも大切になってきています。

慶応大学の研究によると

慶応大学の伊加賀先生もこの業界ではとても著名な先生です。

伊加賀先生が2015年に一般社団法人プレハブ建築協会で発表されたデータが、pdfで公開されています。

『住宅の断熱性能と内装木質化が居住者の血圧・活動量・睡眠・諸症状に与える影響』

https://www.purekyo.or.jp/bukai/jyutaku/pdf/environment-symposium2015_text1.pdf

この中で、断熱性能の優れた住宅とそうでない住宅でどのぐらい高血圧患者がいるのか?を調べて発表されています。それが、このデータです。

このデータは、サンプル数として、低断熱群が442で、高断熱群で10年以上居住しいている方が41しかいらっしゃらないです。そのため、データとしての信憑性は、僕には判断が付きません。ただ、明らかに傾向としてはみてとれますので、参考にするには充分ではないでしょうか。

ご興味がある方は、上記URLからpdf全文をダウンロードしていただけると、伊加賀先生の研究が良くご理解いただけると思います。

この他に参考になるのは、このような伊加賀先生が、IBECで講演したスライドなどもとても有名ですね。こちらも参考にしてみて下さい。私もネタ元として、たまに使わせて貰っています。

『健康住宅・建築最前線 慶応大学 伊加賀研究室』

https://www.ibec.or.jp/GBF/doc/sem_05th_16.pdf

今日は、高血圧と室温の関係について、少し書いてみました。

具体的に室温が何度になったらリスクが上がるのかは、はっきりしません。それは人に寄るからです。

ただ、現在より高性能住宅が普及すると、日本の高血圧患者が減ってくるのでは無いかなと期待しております。それが我々住宅建築関係者の目指すべき道かなとも思っています。

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Posted by 湊 洋一