寒冷地での空調の注意点
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株式会社MXエンジニアリングの湊です。
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《《《2022年4月21日の日本一わかりやすいエコ住宅の作り方ブログ第274号》》》
寒冷地での空調
寒冷地での空調、特に冬場の空調は注意が必要です。
理由は、温度差が大きいという問題があります。
ご存知の様に、断熱性能を示すU値は、単位がw/m2Kになっています。
このKという単位は、絶対温度のKです。1度刻みの温度差は1℃と同じですが、ゼロ度は-273℃となります。
これを絶対零度といって、原子核の動きが止まる物理学上の最低温度です。
この場合は、Kは温度差でして、内外温度差を指します。
本州で6地域の場合は、室内温度が22℃とすると、屋外温度の平均は5℃~8℃ぐらいでしょうか?その場合の温度差は、14℃~17℃ということになります。最低気温でも零下になることは希ですから、最大でも22℃ぐらいという事です。
これが、2地域の札幌の場合は、平均気温で-5℃ぐらい。最低気温は-15℃ぐらいになります。室温との差は、平均で27℃、最大で37℃ぐらいになります。
そのため、東京と札幌が同じ断熱性能の壁があるとすると、平均が東京14℃、札幌27℃、最大で22℃と37℃ということで、その差は平均で2倍程度です。
つまり、壁からは2倍エネルギーが逃げるという事になるわけです。
これだけで、充分に冬の断熱が関連値では難しい事がご理解いただけると思います。UA値0.87であれば、その半分ですからUA値0.43ぐらいは必要です。
6地域の断熱等級4が0.87で、2地域の断熱等級4が0.43というのは辻褄が合いますね。
更に、部屋の隅の温度差
サーモグラフィーで見ていると、外気に接する壁の隅が一番温度が低いことが解ります。
部屋の中で一番寒くなるのは、部屋の隅と窓の表面温度になります。
高断熱住宅の場合は、窓の方が寒い場合もありますが、断熱等級4レベルだと部屋の隅もかなり温度が下がります。
この部分はUA値以上の影響が大きくなります。
北海道の工務店によれば、本州で一般的にやる床下エアコンだけの暖房は、部屋間の温度ムラ、特に1買いと2階の部屋温度差が開く過ぎてなかなか上手くいかないということです。
つまり難易度が高くなるのです。
そのため、各居室にエアコンを取り付けるか、強制的に換気と一緒に暖気を送らないとなかなか上手くいかないということにもなりますね。
いずれにしても、外気温が零下5℃以下になる地域での設計は細心の注意を払って、安全率を都内などより大きく見積もりべきだと思っています。
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