超高性能住宅と無暖房住宅
こんにちは。
今日もご覧いただきありがとうございます。
株式会社MXエンジニアリングの湊です。
さて、今日も工務店を元気にする記事を書いていきたいと思います。
《《《2021年8月29日の断熱ブログ第54号》》》
超高性能住宅について
この所、色々書いてきた超高性能住宅なんですが、そろそろ飽きてきたと思いますので今日で一旦まとめということにさせて貰います。
まずは、超高性能住宅の基準をお伝えいたします。
超高性能住宅というのは、HEAT20のG3前後の住宅のことを指します。G3に関しては必ずしもクリアする必要は無く0.3を切っている住宅はサブ0.3という表現をしていきたいと思います。
耐震等級も3をクリアしている住宅を指します。この耐震等級も許容力度計算をしている住宅でないといけません。品確法の簡易法では、実際の建物の評点がどの程度になっているかは上手く解りません。
隙間相当値C値は、0.3以上を超高断熱住宅にします。0.5より悪い場合は、実際のエネルギー消費量が上がっていきます。なので、最低限0.5以上は必要ですが、0.3以上あれば漏気によるエネルギーロスはほとんど起きません。
これを全棟建てると、建築コストが2300万円を超える場合が出てきますので、お客様への販売価格が高くなりすぎます。
しかしながら、意識としてはこの程度ができるようにしておかないと、超高性能の競合が登場した場合、説得できない場合が考えられます。
できるけれど、あえてやらない
そして、できるけれどお客様の利益を考えたら、あえてやらずにHEAT20のG2前後の性能を提供するという姿勢の方が、好感が持たれます。
ストーリー的には、当社も必要だと思って、HEAT20 G3に匹敵する、耐震等級3、C値が0.3程度の超高性能住宅を建築しています。
ですが、この性能は快適性においてHEAT20のG2の当社標準の住宅とは大きな差が生まれません。また、光熱費の差もシミュレーションからすると、それほどお客様に取って利益になるとは思えません。
ということで、一般的には、この性能に標準を定めています。
これであれば、ちょっと意地悪なお客様で、『そうやって、顧客の利益といっているけど、本当はできないからいっているんだろう』という思われ方はしません。
実際にお客様は、とにかくHEAT20 もG3をどうしても建てたいとか、G3で建てた経験がある工務店だけしか話をしないと決めているという方が現れています。
であれば、何はともかく1回はHEAT20のG3の住宅をモニターでも何でも良いので建ててみて、標準を定めるというのもありかなと思います。
究極は無暖房住宅
ドイツには、無暖房住宅という建物も存在しています。
これは生活廃熱だけで、真冬の室温が16度以上を常に維持できる、日中は太陽を取り込んで室温が23度前後を達成できる住宅を指します。
また、夜間の生活廃熱は調理と給湯がありますので、これらを上手に活用すれば充分に達成が可能な基準です。
これは、条件にもよりますがHEAT20のG3では、少し足りません。G3でも冷暖房負荷はありますので、これが冬にゼロになる住宅というのはかなり安全側に振らないと厳しいでしょうね。
とある書籍によればQ値が0.7以下ということですから、UA値で行けば0.15以下ということになります。壁は断熱材にも寄りますが300ミリ以上で、窓もトリプルでかなり小さな窓になってしまします。
ここまで来ると窓の開閉もあまりない方がいいので、換気は完全に熱交換型の1種換気が必要になります。
なんちゃってG3ではちょっと難しいでしょうね。
実際にドイツでは。400ミリ断熱の住宅が普通に住宅展示場では売られています。日本も10年後にはそのような断熱性能の住宅が誕生していると思います。無断防住宅のシミュレーションを来週やってみたいと思います。
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