経験だけでブログを書くと間違える
おはようございます。
MX代表のみなとです。
今日も、毎日のブログを書いていきます
工務店の皆さんの力になったら良いなと思って書いています。
《《《2023年7月15日 エコ住宅をつくる中小工務店のためのブログ第259号》》
Twitterでとんでもないブログに賛同するコメントがついていたので、ちょっと訂正させてください。
そのブログが、これだってその間違っている工務店の方は全く面識がないので、指摘もできないですし、つるし上げるのもどうかと思うので、どこがどう間違っているかを書いておきます。
以下意訳
長野県の場合は、寒さ対策だけでなく暑さ対策も必要になっている。
とはいえ、寒さ対策ができている高断熱住宅あれば暑さにも対応できる、
断熱材の種類によっては暑さに不向な場合もある。
最近多く使用されているウレタンは、寒さ対策には良いが暑さ対策に悪い。それは断熱材そのものが蓄熱するからです。
その蓄熱によって外気温が下がる夜に、室内へ熱を放熱する。
そんなこともあり自社ではW断熱にしている。
充填断熱にウレタン。
付加断熱にEPS(発泡ポリスチレン)を張っている。
ウレタンとEPS(発泡ポリスチレン)は原料が違う。
EPS(発泡ポリスチレン)は、通気するが水を通さない。劣化しにくく蓄熱しない。
ウレタンは経年で性能は落ちていくのに対し、発泡スチロール系断熱材の断熱性能は経年劣化しない。
まとめると、こんな感じです。いくつ間違えがあるか解らないぐらい間違っています。
寒さ対策ができていると、暑さ対策はできるのか?
答え:暑さ対策と寒さ対策は全く違うものです。
寒さ対策は、太陽光の屋内への取り込みと断熱+気密です。
耒陽光の取り込みができないと、冬は暖房を24時間回ることになります。
これが意外に燃料費を食います。
なので、暖房費を押さえるセオリーは、断熱気密をしっかりして、昼間にいかに太陽を取り入れるかに掛かっています。
夏は、直射日光は御法度です。明るい室内のためにも散乱光は必要ですが、直射日光はなるべくカットするのがセオリーで、エアコンは24時間回しっぱなしが基本です。
ちなみに、詳しくはここでは書きませんが、断熱性能が高いと冷房付加は上がります。
つまり、このブログが言っている『冬対策ができていれば、夏対策ができる』というのは、大間違いです。
ウレタンは蓄熱するか?
ウレタンそのものは蓄熱します。蓄熱というのは、熱容量で表します。熱容量が大きいものはより多くのエネルギーを蓄えて、小さいものは、外気温にすぐ習ってしまいます。
熱容量は、比熱と呼ばれるものと同じ事です。(建築材料・断熱材の熱定数より)
ウレタンの熱容量 およそ 40~45 kJ/立米K
EPSの熱容量 およそ 20~25 kJ/立米K
確かに、ウレタンの方が比熱が大きいのですが。
石膏ボード およそ 800~850 kJ/立米K
木材(杉) およそ 700 kJ/立米K
合板 およそ 1,100 kJ/立米K
断熱材では、
セルロースファイバー およそ 85 kJ/立米K
ウッドファイバー およそ 110 kJ/立米K
ということになります。数字をみてもらうと解りますが、断熱材に比べて構造材や、石膏ボードなどの方が圧倒的に熱を蓄えます。
石膏ボード 9ミリと同等なウレタンは、200ミリになりますので、ウレタンはそんなに厚く吹いていないと思いますから、単なるブログ主さんの思い込みですね。
劣化しない断熱材はない
EPSもウレタンも石油系で有機物です。一般的に、無機物は長持ちしますが、有機物は経年劣化します。
EPS工業会が出しているEPSの断熱性能の経年劣化のデータです。
あまり下がっていませんが、時間とともんいある程度下がるようです。
ウレタンは、このようなデータが存在しません。メーカーの社内データはあると思われますが、30年後にどうなるかを数値で示していないので、多分EPSの方が変化量が少ないのだと思います。
ですから、このブログがここでも間違っているとは言い切れませんが、データの提示もないのは不誠実です。
当社は、ウレタンもEPSも販売していますが、このブログのように、文章だけで語ることはしませんし、隠し事もありませんので、安心して発注知れもらえればと思います。
それにしても、間違えを平気で載せておく工務店さんは良くないなと思います。
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