HEAT20ってご存じですか?
こんにちは。
今日もご覧いただきありがとうございます。
株式会社MXエンジニアリングの湊です。
さて、今日も工務店を元気にする記事を書いていきたいと思います。
今日は100号目です。まだまだですが、なんとか工務店の皆さんにとってお役に立つ、参考になるということを目指して書いています。
《《《2021年10月25日の湊洋一のブログ第100号》》》
HEAT20
HEAT20というのはご存じでしょうか?
HEAT20というのは2008年に設立された団体で、端的に言えば先進国の中で著しく低い断熱性能を先進国並みに引き上げる事を目標とした団体です。
理事長は坂本雄三・東大名誉教授で、坂本先生はZEH推進協議会の理事長など多数の役職を兼務しておられます。このほかに、元北総県の理事長の鈴木大隆氏、近畿大学の岩前敦建築学部長、砂川雅彦・砂川建築環境研究所代表が理事をされています。
実務も理解しながら、学術的な部分もカバーする陣容だと思います。会員には工務店だけではなく、断熱材メーカー、日本サッシ協会などからも参加執筆されている方がいらっしゃいます。
この団体が提唱しているのがHEAT20という断熱基準になります。
その提唱している数値は、当社発刊の書籍にも収めてありますが、こんな感じですね。G1,G2、G3という数値を定めています。
この表は何度も登場させていますので、ご存じの方も多いでしょう。まずは6地域と2地域~7地域までをまとめたものです。6地域には東京、川崎、横浜、静岡、浜松、名古屋、大阪、京都、神戸、岡山、広島、北九州、福岡とほとんどの政令指定都市が含まれています。
6地域には日本の人口の半分以上が住んでいる事になります。
政令指定都市の6地域でないのは、札幌(2地域)、仙台(5地域)、新潟(5地域)、熊本(7地域)ぐらいでしょうか。
HEAT20のG1、G2、G3の意味とは?
日本は南北に長いので非常に多様な気象条件が存在します。
世界で一番の積雪量は日本が持っています。北海道の旭川市以北では、真冬に零下20度以下に下がって、ダイヤモンドダストが観測できます。北海道北部は寒すぎるので雪がそれほど積もりません。
さらに、亜熱帯と呼ばれるハワイと変わらないような常夏の島も存在します。実際は、沖縄は常夏ではなく、真冬で東京より少し暖かいぐらいの日もありますが、3月になると普通に海開きしていますので、常夏といえば常夏ですね。
ちなみに。北海道北部および東部は1地域、沖縄は8地域ですので、上記の気象区分には入れていません。
ちょっと気象条件が特殊すぎて一緒には語れなくなってしまうからです。
そして、それぞれの数値の意味は、厳密に言えば地域によって若干の差異はありますがこのような意味があります。
- 断熱等等級4 室温は概ね8度を下回らない
- G1グレード 概ね10度を下回らない
- G2グレード 概ね13度を下回らない
- G3グレード 概ね15度を下回らない
これが、最大の意味づけです。間欠暖房をした場合ですので、実際の住宅はもっと暖かいと思いますが、建物内部で真冬でどこでも15度を下回らないというのはかなり大変です。
東京でも寒い日は気温が零度にはなりますから。15度も高くないといけません。
そして、その結果として暖房負荷は
断熱等等級4 このときを100とすると
- G1グレード およそ60
- G2グレード おそよ45
- G3グレード およそ25
と、かなりのエネルギー量を削減できます。他でもたくさん書いていますが、建物の光熱費の30%が暖房費です。冷房費は性能が良く、パッシブ設計を行えば3%程度に絞ることも可能です。
ただし、これはあくまでプロが納得するための数値になります。
お客様には、もっとわかりやすくと耐えないといけません。
当社の場合はこう言っています。
G1 欧米基準での住宅レベルにはちょっと足らないけれど、最低これだけはしておけって偉い先生が言っているレベル。
G2 当然断熱性能を上げればあげるだけ建築コストが高くなり、省エネせいが上がっていくけれど、このバランスが一番良いのがこのゾーン。バランスが最適。
G3 そして、完全に欧米水準の住宅を建てたければ、ここまでやったら良いという目標値。予算に余裕があればチャレンジして見て欲しい。ただし、光熱費は安くなるけれど、体感としてはG1⇒G2の差よりも、G2⇒G3は小さいので万人受けではない。
こんな感じで説明しています。お客様への伝え方は、明日101号で詳しくかきますね。
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