硬質ウレタンの是非

こんにちは。

今日もご覧いただきありがとうございます。

株式会社MXエンジニアリングの湊です。

さて、今日も工務店を元気にする記事を書いていきたいと思います。

《《《2021年8月8日の断熱ブログ第34号》》》

硬質ウレタン

昨日お伝えしたブログ『グラウスールの進化』でお伝えしたのですが、日本の住宅で金額ベースで一番多く使われている断熱材は、硬質ウレタンフォームです。

硬質ウレタンフォームというのは、2つの液状の化学物質を混合させて発泡作用を起こして生成されます。

椅子などのクッション材で使われる軟式ウレタンとは基本的な科学的は同じものです。混ぜている材料や配合などを変えることによって、断熱性能と硬さを生み出します

日本での生産は1950年代のようですが、住宅用の断熱材として本格普及したのは、この20年ほどです。特に、この10年あまりの普及のスピードはどの断熱材よりも早いのでは無いかなと思います。

因みに、ウレタンの断熱材には、現場発泡ウレタン、ウレタンボードの2種類があります。

現場発泡ウレタンとは文字通り実際の建築現場で断熱材を吹き付ける事を指しますし、ウレダンボードは、工場でウレタンを使ってボードを生産する事で作る板状の断熱材です。

住宅建築用のウレタン 100倍と30倍の違い

現在、住宅建築用には100倍発泡硬質ウレタンといわれているウレタンが主流です。当社は100倍発泡硬質ウレタンも施工できますが、主流は30倍といわれる低発泡のものです。

違いを含めて少し説明させて貰います。

100倍発泡硬質ウレタンは、まず黄色というか、クリーム色です。

そして、触るとふわふわしていて、カッターで簡単に切り取れるのが特徴です。

断熱性能の元になる熱伝導率は、0.034w/mKが多いですね。性能的にはグラウスールとほとんど差がありません。

100倍発泡硬質ウレタンは透湿抵抗値が低い事が最大の問題です。

発泡倍率が大きいので、湿度が簡単に断熱材の中を移動します。

透湿抵抗の値を示す、透湿率はng/(m・s・Pa)という単位で示されますが、グラウスール170前後に対して31前後とだいたいグラウスールの2割ぐらいの数値になります。

30倍発泡ウレタンの場合は、色がピンクでが多いですね。

とても硬くて、指で押すと少し凹みますが、カッターで削り取るのもかなり大変です。

透湿抵抗は大きいので、断熱材内部に湿度を含みにくい材料です。

透湿率はJISの標準値で7ng/(m・s・Pa)ですが、メーカーによると4前後が一般的です。

また、熱伝導率もJIS値で0.026w/mKで、自主判定基準といってメーカーの値は0.022~0.021が一般的です。

これはフェノール系の断熱ボードとほぼ同じ程度で、一般的な断熱材の中では一番優れているものといっても良いでしょう。

ウレタンの弱点

ウレタンの弱点は、紫外線による劣化が見られるという所ですね。

紫外線が当たると数年で脆くなります。これは100倍発泡硬質ウレタンでも、30倍発泡ウレタンでも同じ事です。

このことから、経年劣化が大きいという人もいますが、工業会が発表しているデータを参考に示しておきますね。

このデータは、600日ですからそんなに長い間ではありませんが、ウレタンが一番長く使われている業務用の冷蔵倉庫などでは既に40年以上使われている例があります。

業務用の冷蔵庫ですので、急激に性能が下がるようでは電気代が跳ね上がってしまうはずですが、大きな劣化はみられないそうなので、建築後30年、40年は問題ないと思われます。

もちろん壁の中に入っている状態だからそう言える事であって、これが太陽光に常に当たるような場所は要注意です。

また、これは100倍発泡硬質ウレタンだけに言えることですが、壁体内結露の危険が常に存在します。グラウスールは、既にその100近い現場で建物の内側にバリアシートといってポリエチレンのシートを貼るのが一般的です。

これがないと、壁体内結露といって冬に外壁の直ぐ内側の透湿防水シートの内側に水滴が付きます。この水分は、室内からクロスを超えて、石膏ボードを抜けて、断熱材を通り過ぎて透湿防水シートの内側にたどり付くのです。

それを防ぐために、グラスウールでは100%ポリエチレンフィルムを貼っています。本来は、100倍発泡硬質ウレタンの場合も張った方が良いのですが、これを省略しているケースは危険が有るなと思います。

30倍発泡ウレタンの場合は透湿抵抗値が高いので壁体内出の湿度の移動がかなり制限されます。そのため壁体内結露の可能性はほぼ起きないですね。

このほかに、夏に建物の内壁の内側(つまり壁の中)で結露が起こる現象もあります。エアコンで部屋が冷やされて、部屋に面した石膏ボードの内側に結露が付くわけです。これも30倍発泡ウレタンは起こしにくいと言われています。

現場発泡は職人減にも対応

現場発泡ウレタンは、専門の職人が吹きつけに行くことになりますので、大工さんの手を煩わせることはありません。

また、基本的にはその日も大工さんは仕事をしていただく事が可能な場合もあります。建物の大きさや、間取りなどによって1日空けて貰うこともあります。

しかも、100倍発泡硬質ウレタンの場合は1日で工事が終わるケースがほとんどです。

施工性もいいのが、普及の力になったとも言えるのではないでしょうか。

現場発泡ウレタンには良いところも、悪いところもありますが、基本的に欠点がない断熱材は存在しないので、どれが最高の断熱材かは、お客様にもよりますし、工務店さんにも寄るかなとおもいます。

現場発泡ウレタンに関しては当社に何でも相談して下さいね。

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    Posted by 湊 洋一