経営ノート

「ZEHと長期優良リフォーム」

今年になって、ゼロエネルギー住宅に関する話題が急に増えてきました。
大手は、どんどんゼロエネルギー住宅をリリースしています。

大手の動向は少なくとも2020年に、全棟ZEHというのが目標のようです。
ということは、2020年は全棟4等級が標準というのでは遅いのかもしれません。
2020年には建売住宅ですら全棟4等級になります。

ということは、注文住宅はそれ以前に対応を済ませて、
せめてZEHにいつでも移行できる体制を組む以外にありません。
そこで、まずは先日発表された経済産業省のZEHのガイドラインを簡単に解説いたします。

 

ZEHとゼロエネルギー住宅

ZEHは経済産業省が掲げている住宅のスペックであり、
ゼロエネルギー住宅は国土交通省が掲げるものになります。
このように、2つの省庁で同様の商品に補助金が付くのは珍しいのですが、
それだけ政府としては真剣に民間住宅の性能を向上させようと考えているということになります。

これには理由があります。
1973年から2013年までGDP(国民総生産)が
2.5倍に伸びたのにもかかわらず産業分野(工場など)の消費エネルギーは2割減少しています。
しかし、業務用(事務所)では2.9倍、家庭では2倍になっているのです。

つまり、業務用というのは、エアコンとPCの消費エネルギーであり、
家庭では冷暖房、給湯、家電・照明のエネルギーです。
2013年の割合では、冷暖房費が28%、給湯が28%、家電・照明で36%、残りが調理になります。

家庭の消費エネルギーのキモは、冷暖房費の抑制、給湯費用の抑制、家電や照明のエコ化です。
この中に、家電・照明、冷暖房器具(エアコン)、
給湯器(エコキュート、エコジョーズなど)が含まれているために、
より消費エネルギーの低いものを普及させるという名目で、経済産業省がZEHを後押しする形になります。

大手家電量販店がリフォームを手がける様になったように、
住宅産業は我々工務店だけのものではなく、
日本の全産業に関わる大きな位置づけになっているというわけです。

断熱基準は4等級よりも少し厳しくなっておりUA値で0.6(4~7地域)です。
これはQ値換算すると2.0程度で、本当に4等級とはそれ程変わりません。
断熱等級ではHEAT20という民間の基準がありますが、こちらのグレードの方がよほど厳しいと思います。

つまり、経済産業省は断熱性能を向上させるよりも、
機器の省エネ性能を向上させることに重きを置いているようです。
そのような事情から、高性能住宅ではなく中性能な住宅で高性能な機器をということが指向のようです。
これで、基本的には190万円程度の補助金が下りてきますので、使える工務店様は是非使ってください。
だたし、この制度はエントリー制ですし、期間が限られているため使いにくい制度ではあります。

補助金が使えなくても、高性能な住宅でZEHというのお客さまにとっては魅力のある商品ですから、
工務店としてはきちんと説明できるようにするべきだと考えます。
(参考URL: http://www.meti.go.jp/press/2015/12/20151217003/20151217003.html )

 

長期優良リフォーム

今年の国土交通省の新しい施策がこの長期優良リフォームです。
劣化対策2級と耐震等級1以上が必須項目です。
そのほか、延床面積が55平米以上である事が求められています。
これに加えて、
1次エネルギー消費4等級か3等級+ペアグラスなどの省エネルギー対策か維持管理対策等級2も求められます。

細かい基準は別途機会があれば、お伝えするようにいたしますが、
これらの基準を満たすことができれば、補助金としては100万円を受け取ることができます。
これらの基準は新築に比べて、非常に低く使いやすい仕様になっています。
当社としては、本件をもう少し深掘りしつつ情報提供を行います。
(参考URL: http://www.mlit.go.jp/common/001025166.pdf )

(2016年3月21日)

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