■資金計画セミナー4■住宅購入に向けた保険の考え方

中川資金計画セミナーのお話しは、前回で終了したのですが、
今月号に中川先生のダイジェストDVDが入っているので、
今回おまけでもう少し保険の話を書いていきたいと思います。

この内容は、先日の中川資金計画塾で伺ったお話です。
また、中川先生の書籍の中にも触れられています。

家づくりをお考えの多くのご家庭では、ご主人様が働いているケースがほとんどです。
奥様はパート、正社員でも年収ベースでは200万円前後のケースが多いのではないでしょうか。
今回は、テストケースとして、そのようなケースを考えてみたいと思います。

例) ご主人の年収が税込み350万円のサラリーマン
   奥様はパートで年収80万円
   お子様は、お二人

このような方が、家を建てようとお考えだとします。
その場合、お客様の不安は2つあるはずです。

1つ目は、ご主人や奥様が病気になったらどうしようというものです。
これは、以前の記事でも書きましたが、
実際に病気になるケースは非常に少ない上に、医療費もそれ程かかりません。
多くの場合、30日以内に退院できるケースがほとんどです。
そのため、50万円以上の蓄えがある場合は、医療保険などは特段必要ないと書かせていただきました。

2つ目の心配は、万が一ご主人や奥様が亡くなってしまった場合です。
その場合は、どのようなリスクがあるのでしょう?
一般的に男性より女性の方が長生きするといわれていますが、
念のため奥様が先に亡くなったケースを考えます。

先ほどの例の場合、奥様の年収は80万円ですので、
パート先が社会保険(厚生年金)に入っているケースは無いでしょう。
そのため、奥様の死亡時に公的なサポートを受けることはできません。
奥様が亡くなったときのために何か死亡時の保険が必要になるでしょう。

ですが、奥様の年収は低いので、
家計という側面で見れば大きな保障をつける必要はありません。
どんな保険かは後述します。

次に、ご主人様が亡くなった場合を考えます。
家を建てた後であれば、団信で家の債務はゼロになります。
そして、問題はその後の生活に焦点が移ります。

税込み年収350万円なので、ご主人の税引き後の月収はおよそ24万円。
(この簡易計算法は、次の通りです。350万円x(税+社保)0.82÷12ヶ月≒24万円)
このうち、厚生年金から遺族年金が支払われます。
この遺族年金は年収にもよりますが、それ以上に残された家族の数が大切になります。

上にあるとおり、子供二入の場合はおよそ15万円の遺族年金があるとされています。
しかしながら、今回の年収350万円のサラリーマンのご主人の場合、
若干これより少なくなると思われます。今回の場合は14万円だとしましょう。

遺族年金14万円は遺族年金からお子様が18歳になるまで支給されます。
お子様が18歳になると、遺族年金は減額されます。

ご主人様が亡くなった際、
ご主人が使っていたお小遣い、昼食代やガソリン代などは必要なくなります。
それが月間に4万円だとします。

つまり、24万円-14万円-4万円=6万円の手取り年収があれば、
ご主人がおられた時と同じ生活が送れます。

奥様が亡くなった場合も同様に考えます。
奥様の月収7万円から奥様の使っていたお金3万円とすると月に4万円あればOKです。

つまり、保険で準備するのはこの金額だけ必要ということになるわけです。
この保険を、収入保障保険といいます。
月額10万円以下の保障であれば、5千円以下で加入ができます。

収入保証保険の中では、
チューリッヒ生命とアクサダイレクト生命のいずれかが一番掛け金が安いです。
両方比較して安い方に加入してもらいましょう。

現在3万円以上の保険に入っている場合は、
この考え方で5千円程度に保険を圧縮する事ができます。
そして、余った資金を家づくりと貯蓄に回すことで、家づくりの資金を増やすことが可能です。

(2015年10月22日)


■資金計画セミナー バックナンバー■
(1) 家づくりの予算を増やす資金計画セミナー
(2) いる保険、いらない保険
(3) 住宅ローンのための保険見直し術

Posted by 湊 洋一