■経営コンサルタントの頭の中9■利益に繋がる時間活用術

先月号では、工務店経営のキモは利益だとお伝えしました。
利益がないと自分の給料も出ません。
社員の給料も支払えません。家賃や借金の返済もできません。納税もできません。
数年にわたってきちんと納税していない企業は、存在意義が無い様に思います。

まずは、利益!つまり金儲けに邁進してください。
お客さまへの還元は、その次で良いと思います。
いろんな経営哲学の本で、お客さまに喜ばれる企業が生き残ると書かれていますが、
お客さまにいくら喜ばれても、収益を上げられない企業は生き残れません。

さて、その次にお伝えしたいのは、時間です。
これは私も同じなのですが、
『忙しい、忙しい』といっている経営者で凄く儲かっている経営者は余りいないそうです。
本当に儲かっている経営者は、暇なんだそうです。

正直なところ、MXエンジニアリングはお陰で黒字経営をさせていただいてはいますが、
儲かってはいません。なので、僕はいつも忙しくしています。

忙しいというのは、本当に儲かるビジネスに資源を投入できていないということを意味します。
本当の儲け話、新しいビジネス展開、新商品などの販売に
全力投入ができないということになりますので、
常に現状のビジネスを続けないといけません。

また、忙しい人は、自分の得意ではないことも自分でやろうとしています。
自分で得意でない事は、時間が普通よりもかかるうえ、仕上がりも一流にはなりません。

ということで、皆さんは忙しくても儲からない経営者ではなく、
自分の得でないことは全部人任せにして、
自分の時間をたっぷりと取れるような経営者
を目指して欲しいと思います。

もちろんそれは易しいことではありません。
時には依頼された仕事を断る勇気も必要です。
時間だけは、どんな人間にも平等に与えられた貴重な資源ですから、
それを無駄に過ごすのはせっかくの資源の無駄遣いです。
(無論、家族と過ごす時間は無駄ではありません。家族と仕事のバランスこそが21世紀型の仕事術です。)

時間の節約をするには、手順が必要です。
自分の仕事を全部書き出して、どの仕事がどれ程収益に役立っているのか判断をします。
中には将来の収益に役立つ活動もあれば、今すぐのお客さまに働きかける仕事もあります。

経営が厳しい会社は、将来の仕事よりも今すぐのお客さまをいかに取るかを考えるしかありません。
その場合はリフォームがとても効果的です。
僕の友人のある経営者は、とにかく死ぬ気でリフォームを取っていました。
取ったリフォームを必死にこなす事で収益を改善して、現在は新築を年間に20棟手がけています。

リフォームも確実に収益の上がる物件しかやらないことです。
確実な何十万円をいくつも積み上げて、最終的に経営が軌道に乗ったら、新築に移行してください。
リフォームを続ける事も一つの選択肢ですし、
今後はリフォームが仕事の中心になる工務店様が多くなると思います。
収益の上がるビジネスに集中する覚悟を決めてそれ以外やらないというのが、あるべき工務店社長の姿です。

(2016年3月20日)


■経営コンサルタントの頭の中 バックナンバー■
(1) 経営コンサルタントの頭の中
(2) FC住宅が売れない理由
(3) 住宅営業で契約をとるために
(4) 集客と住宅営業のノウハウ
(5) お客様の声を役立てよう
(6) お客様目線を大切に
(7) 工務店経営の悩みとは?
(8) 広告宣伝費と粗利率の関係性

Posted by 湊 洋一